「今度は二人でソル・クラスタに行こうね。クロに皆を紹介したいし、皆にもクロを紹介したいから。あ、でも…アオトは待ち切れなくて先にこっちに来ちゃうかも」
「アオト…?」
「うん。あっちの世界で出来た、大切な人」
「大切な人…」


大切な人、という言葉に思わず反応してしまう。

自意識過剰かもしれないが、ココナにとって自分以上に大切な人などいないと思っていた。なのに、少しの間離れていただけで、こうも変わってしまうのか。

そう思うと腹立たしくなる。気付けば、ココナを床に押し倒していた。突然の出来事に慌てたココナが抵抗するのを力づくで抑え込むと、ココナが僅かに脅えた表情になる。


「な、何…クロ…」


ココナの質問には答えずに、ココナの両手を片手だけで抑え付け、空いた手をそっと頬から首筋にかけて滑らせた。ビクリ、とココナの身体が反応する。それと同時に開かれるココナの口。


「や…やだよ、クロ。こんなの…」
「…少し、黙っていろ。ココナ」


強制するような声でココナへ告げる。すると、自分が怒っている事を理解したのか、ココナの唇が強く噛み締められ、力が抜けた。